Whisper Webを実測レビュー|音声を外部に送らない無料ツール、日本語精度は課題【2026年7月版】
登録不要・無料で使えるWhisper Webに日本語音声2本を実際に聞かせて検証。処理がブラウザ内で完結し音声が外部に送信されないのが最大の強み。一方で初期モデルの日本語精度は実用レベルに達せず、総合20点だった実測をまとめた。
Whisper Web は、当サイトの無料文字起こし実測比較(2026年7月)で総合スコア20点・3ツール中3位だった。他の2ツールと決定的に違うのは、処理がすべてブラウザ内で完結し、音声が外部サーバーに送信されない点だ。
つまり録音した音声が端末の外に出ない。機密性の高い会議音声を扱ううえで、これは他ツールにない安心材料になる。
ただし精度は正直に書く。初期状態の「tiny」モデルでは日本語の文字起こしが実用レベルに達しなかった。この記事では、何が起きたのかを実測データとともにまとめる。
実測結果
2026年7月に、自作の日本語録音2本(①静かな室内でのはっきりした読み上げ 52.5秒 ②生活雑音のある環境での読み上げ 46.7秒)を実際にアップロードし、正解の台本と機械照合して文字誤り率(CER。低いほど正確)を測定した。設定はMultilingualをON・言語をJapaneseにし、モデルはデフォルトのwhisper-tiny(152MB)を使用した。
| 項目 | 実測値 | スコア |
|---|---|---|
| 精度① クリア音声 | CER 180% | 0点 |
| 精度② 雑音あり音声 | CER 55% | 0点 |
| 処理時間 | 1本あたり平均26.4秒 | — |
| 総合スコア | — | 20点 |
クリア音声では、数字の羅列を延々と繰り返すエラー出力(ハルシネーション)が発生した。同じ数字を何度も挿入し続けたため、文字誤り率が100%を超える180%に達した。
雑音あり音声でもCER 55%で、文章の骨格は残るものの実用には遠い。「応接室の予約」が「大戦鉄の4x9x9x」に崩れるなど、地名や日付も原形をとどめなかった。
精度スコアは線形換算(CER 50%以上で0点)のため、両方とも0点。総合20点は速度点のみで積み上がった数字だ。
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唯一の強み: 音声が外部に出ない
Whisper Webの価値は精度ではなく、処理方式にある。
- WebGPUによるブラウザ内ローカル処理。音声ファイルはサーバーにアップロードされず、端末内で文字起こしが完結する
- 登録不要・回数制限の表示なし(1ファイル200MB・20分まで)
- 他の2ツール(Any2Text・文字起こしさん)は音声をサーバー側で処理するため、この点は明確な差別化になる
機密性を最優先し、多少の精度低下や手直しを許容できる用途に限れば、他にない特性を持つツールだ。
注意点
初期状態は英語専用モデル(最重要)
Whisper Webは初期状態のままだと英語専用モデルで動く。日本語を文字起こしするには、Multilingual(多言語)トグルをONにし、言語をJapaneseに指定する必要がある。
この設定を変えずに日本語音声を投げても、まともな結果は返らない。
その他の短所
- デフォルトのtinyモデルでは日本語精度が実用レベルに達しない(実測でCER 55%〜)。文字起こしの下書きとしても手直し量が多すぎる
- クリア音声で数字の羅列を繰り返すハルシネーションが発生した(CER 180%)。音声によっては出力が壊れる
- 毎回約150MBのモデルダウンロードが走る(今回の実測で約9.5秒)。通常のブラウザ利用ではキャッシュされ初回のみだが、初回は待たされる
料金
- 無料: 登録不要で1ファイル200MB・20分まで。回数制限の表示なし
- 有料: Unlimited版があるが、価格はサイトで要確認
代替ツール
精度を重視するなら、同じ日本語音声2本で実測した次の2つが選択肢になる。
- Any2Text — 今回の精度1位(総合92点)。雑音のある音声でも文字誤り率3.5%と崩れなかった。登録不要で15分まで無料。ただし音声はサーバー側で処理される
- 文字起こしさん — 日本語の画面で、ファイルを選ぶだけで平均13.3秒で文字になる(今回最速)。無料は1音声3分まで。こちらもサーバー側処理
いずれも精度は高いが、音声を外部に送りたくない場合はWhisper Webが唯一の選択肢になる。3ツールの精度・速度・無料枠を並べた比較表とスクショは、ハブ記事の無料文字起こしサイトおすすめ3選【2026年7月版】にまとめている。
よくある質問
- Whisper Webは本当に音声が外部に送信されませんか?
- 当サイトの検証では、WebGPUによるブラウザ内ローカル処理で文字起こしが完結し、音声ファイルはサーバーにアップロードされない仕組みを確認しました(2026年7月13日確認)。機密性の高い音声を扱ううえでの強みです。
- 日本語の精度はどのくらいですか?
- 実測ではデフォルトのtinyモデルで、クリア音声が文字誤り率180%(数字の羅列を繰り返すエラー)、雑音あり音声が55%で、いずれも精度スコアは0点でした。初期のtinyモデルでは日本語の文字起こしは実用レベルに達していません。より大きなモデルを選べば精度は上がる可能性がありますが、処理時間とダウンロード量が増えます。
- 日本語を文字起こしするにはどうすればいいですか?
- 初期状態は英語専用モデルのため、Multilingual(多言語)トグルをONにし、言語をJapaneseに指定する必要があります。この設定を変えないと日本語ではまともに動きません。
- モデルのダウンロードは毎回必要ですか?
- 当サイトの検証では約150MBのモデルダウンロードが走りました(約9.5秒)。通常のブラウザ利用ではキャッシュされ初回のみですが、初回は待ち時間が発生します。
→ 他のツールとの比較は 実測ベンチマーク で確認できます。